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中森洋輔という男
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「で?何ぼーっとしてんの?」
「別に。1つ仕事が終わったところ」
「へー、そっか恋か」
「え?俺の話聞いてた?」
この一見クールそうに見える男は、話してみるとなかなかアホだということが分かる。
また、堅そうで真面目そうな外見とは裏腹に、ノリが良かったりする。
俺は丁度書類を上げてメールで青木さんに送ったところなので仕事をさぼっているわけではない。
「いやー、恋してるときの顔だよさっきのは」
「してたとしても仕事中にそんなこと考えないって」
「あ、今日何時上がり?」
「自分から振っといて何なの?6時だけど」
「よし飯行こう。」
「え、決定事項なの?」
中森がこんなに強引な人間だとは知らなかった。
いや、少し強引なのは知ってたけれど今日はいつも以上に人の話を聞かない。
終わったらこっち来るから。そう言い残して俺に背中を向ける。
椅子ごと振り向くと、中森の進行方向には営業の上司がいた。
どうやら上司の話が終わるまでの時間を俺で潰してたみたいだ。
振り向いていた身体を戻し、パソコンの画面を見る。
明日やる予定だったものと、今週が期限のものを、少し進めていよう。
小さく息を吐いて、キーボードに指を滑らせた。
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