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中森洋輔という男
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「高嶋、んで誰が好きなの?」
唐突に聞こえた質問に、食べていたうどんが気管に入るところだった。
軽くむせて、汗をかいたグラスの水を流し込んだ。
「お前…食べてるときにいきなり変なこときくなよ」
第一、俺に好きな人がいたとしても中森には関係のない話だし、社内の人間だとも限らないから中森とこの話をしても意味がない、と思うのだけれど。
「受付嬢の村上さんとか?可愛いよなぁ」
「えっごめん名前今知ったわ」
「お前、可愛い人の名前くらい覚えておけよ」
「…中森ってなに?チャラ男?」
真っ黒に塗りつぶされた大きめの瞳がきらめくのを見て、出会った当初の中森のイメージが俺の中で音を立てて崩れ落ちた。
見た目だけ真面目だなこいつ。
きっと学校でも真面目に見えて勉強しないやつだな。
俺の学校にもいたいた。
「チャラ男なんかと一緒にするなよ」
「悪い、でも俺本当に恋とかじゃないし」
「…つまらん、岩瀬さんに彼女の有無を聞いて来いと言われたんだ」
岩瀬さんは中森と同じ企画の先輩で、お姉さまって感じの美人だった…はず。
美人も悪くないが、俺のタイプはどっちかって言うと可愛い子だ。
中森は少しぬるくなった水を飲んで、口を軽く結んだ。
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