アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1 僕の世界1
-
真っ黒な世界、音のない世界。
何も無い。誰もいない。何も分からない。
希望の光なんて見えたことなくて。
あるのはただ黒色。
あの日のことはいつでも思い出すことができる。
思い出したくなくても暗闇の中、幻覚のように離れない。
苦しい。助けて欲しい。
手を差し伸べてほしい。
あの日、あの時の。僕の後悔。
~
「Happybirthday!!!
_______今回で12回目の誕生日だね。
今年も良い年でありますように。」
お母さんと、お父さん、お兄ちゃんと僕の四人家族。
僕の12回目の誕生日。
「さぁ、明日はどこに出掛けようか?」
昔から誕生日の次の日は家族みんなでお出掛けする日。
お父さんも、お母さんも仕事を必ず休みにしてくれる。
旅行に出かけたり、遊園地や、動物園いろんなところに連れていってもらった。
本当に頑張って計画を立てて
今までの、誕生日の翌日は必ずいい思い出になっている。
「明日は雨だし、室内の方がいいんじゃないかな?」
残念ながら、明日は雨。
今までで、まぐれであっても雨は今回が初めてだった。
それでも、僕はみんなといられるこの時間が何よりも楽しくて浮かれていた。
色とりどりにデコレーションしているケーキに、キラキラ光るライト。
ワイワイと出かける予定を決める家族。
楽しい時間。
かけがえのない時間。
最高の時間。
...家族最後のじかん。
...最悪なじかん。
...忘れたい。
忘れてしまいたい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 60