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17 神獣狩り3
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side深夜
一目でこの目の前の少年が【姫】だとわかった。
先代も先々代も迎えることができなかったと聞いている。
【姫】を何千年待ったことだろうか。
その方が今…………目の前に。
喜び、感動、色んな感情で胸が苦しい。
この世界はあなたを望んでいた。
荒れ果てた大地。民は食に飢え、死者が年々増えていく中で王は自分の無力さに嘆き、悲しみの果、床に伏せ、政治は子に任せっきり。
子は子で【伝説の姫】を望み、現れぬ者を待ち続ける。
この世界は衰退してしまった。
でも、今、目の前には姫がいる。
あぁ、希望の光が今ここにある。
真っ白な少年。目が見えず、耳も聞こえない。そのうえ、足も動かない。
それでも、姫なのだ。姫だと確信するものがある。
身体の内側から発せられる神々しい澄みきった光。
あぁ。やっとこの世界が救われる。
今私の腹の上で寝ている姫。
あなたはこの衰退しきった世界を見て何を思いになられますか?
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