アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
41 王都4
-
sideシリア・クライシス
前王である父が俺の人生を
『 キャンバス』の様だと言ったことがある。
なにも考えない。何も面白くない。何も無い人生だと。
姫に執着する色を黒としたらキャンバスは真っ黒に染まるだろう。
姫に執着してほかを見ることが出来ない。
そんな人生だと言っていた。
姫を渇望して、姫の部屋を作った。
いつ現れてもいいようにS~LLのサイズの真っ白な服を用意した。
最善の出迎えができるように家臣たちに命令した。
だが、姫は現れず。先日の夢を見た日まで音沙汰がなかった。
それでも、夢を見た日から半年がたった。
……姫は……現れていない。
王都にいた場合、毎日のように家臣を送り探させているが見つからない。王都以外の場所にいる場合生きていけるとは考えられない。
疫病が流行り、水がほとんどない。やけるような日差しは夢で見たあの子にはやけどではすまないだろう。
なぜ、見つからない。
あれは、夢でしかなかったのだろうか。
「王。水不足で王都を囲む小国が徐々に減ってきております。王都もあとわずかしかありません。10年以上前に降った、雨の蓄えもあと少ししかありません。王。雨の国の娘と婚姻を結ぶしかないのです。何をお考えか」
「うるせぇ」
早く早く現れてくれよ。
半年ほど前から俺の雑用係になったやつはあまりにも、責任を押し付けてくるだけでイライラする。
幼なじみで俺の右手のやつは長期休暇にした。早々後悔する。
(守りの主)と呼ばれる守りの隊長ラウは休む間のなく流行ら気詰めだったため休暇を与えた。
仕事をスピーディかつスムーズに迅速にこなしていたため、こいつになってから時間は同じなのにやけに仕事量が多く感じる。
そして、何かある事に雨の国のとの結婚をと言ってくる。
そんなやつに俺の怒りは溜まっていくだけで我慢なんてする気は無い
「うるせぇな。お前消えろよほかのやつを明日からは呼べ。今日の仕事は終わりだ。」
先程始まった職務を中断し立ち上がる。
「え。えっ。お、王。それだけは」
「歯向かうな。死にてぇのか」
腰に刺さている剣を抜き目の前に刃先を向ける。
「ひっ!」
びびって腰を抜かすやつを睨みつける。
こいつをここから追い出したいのだが、腰が抜けてる様なので自分が部屋を出る。一分一秒あいつといたくない。
長い廊下を歩く。
まるで自分の人生のようで笑えてくる。
「ざまぁなえなぁ…………………………………」
虚しく自分の声が響き渡った。
今日もまた、焼けるような暑い日差しが出ている。
雲ない空。広い空を見上げていると、何かがこっちに向かってくるのに気づいた。
「あれは……!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 60