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49 姫への執着4
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何が見えているかって何も見えないよ。っと答えるのではないだろう。
リアンさんはなぜだか、僕が目も耳も足も機能していないことを知っていた。
多分、ラウさんが教えてくれいたのだろう。
それでも、何が見えているのかと聞くリアンさんの質問文がわからない。
「何をって……?」
『 ルカ様は私たちにはわからないものがみえているのではないですか?』
見えないものが見える?
それってどういうもの?
「それって……」
『 例えば『 未来』とか。』
僕が言い切る前にリアンさんは言った。
未来?
そんなもの見えない。何も見えない。
もし、見えていたらあの時…………………………………。
何かが、赤く揺れ動く何かが僕の頭の中をかすめていき誰かの声がする。
[……たす……けてぇ]
誰?僕の記憶にない記憶。
倒れてくる棚はここの世界のものではなくて
なら一体……ズッキ
深く考えれば考えるほど頭が痛み始めた。
『 ルカ様は何を見てるのですか?』
リアンさんの声は何だかさっきまでと違って鋭く刺すような声に聞こえてきて耳を塞ぎたくなる。
塞いでも聞こえないのは最初からで流れてくる声に恐怖心が湧いてきた。
暗闇が、静寂が怖かったのに。こんなにも人の声を怖いと感じたことは無い。
『 どうなんですか?ルカ様。』
もうやめて、頭痛いの。
伝えたいのに声が出ない。
顔で伝えたいのに、手から伝わるシリアさんから見る僕はただ無表情で何も伝わってこない。
『 ルカ様』
もう嫌。思い出したくない。
燃える。燃える家。
痛い。熱いの声。
誰の声
誰の声?
「やめろ。」
さっきまで流れてくる情報が一気に消えた。静寂の真っ暗闇。
「考えるな。……ルカ」
誰の声?
どうして、触ってないのに聞こえるの?
耳から聞こえる声は、低く、落ち着いたそんな声。
何年ぶりだろうか。この耳から声を聞いたのは。
「……っ……だ、誰……?」
大きな気配。上から聞こえた声から、相当身長が高いことが伺える。
そして、この人から溢れる何かが僕を包み込む
「『 この国の王だ』」
王が僕に触れると同時に王が見えた。
金色の髪に同じ目。見上げるしかできない高身長。金色の装飾品をつけた高貴な服に紫、青、緑、オレンジ、黄色、茶色の6色のバッチ。そして赤いピアス。
これが王…………………………………。
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