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51 姫への執着6
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離れていく王の体に少し寂しさが胸をかすめた。
「……ぁ」
少し漏れた声に王は気づいたのだろうか僕の髪を1束すくい、唇を乗せた。
王の金色の目が僕をじっと見つめる。
顔と顔が触れそうなこの距離にドキッっとする。
本当に綺麗なお顔をされている。キラキラと光る髪はより一層彼の顔を際立たせている。
王の顔に見とれているとまた、誰かがこちらに向かってくるのがわかる。
(あ、この気配知ってる。……ラウさんだ。)
『 失礼します。お取り込み中失礼します。少々お時間よろしいですか?』
やはり予想は当たっていたようでラウさんが青い服を着て現れた。
「『 なんだ。急用じゃなければ後に回してくれ。』」
『 いえ。急用です。』
「『 ……要件は?』」
『 前王が姫を連れて来いとの事です。』
「『 ……。…………わかった。』」
「……。」
僕の知っているラウさんではないようで話しかけれない。
はぁとひとつため息をついて王が僕を横抱きにした。
真っ白い服が横抱きにするには非常に邪魔だろうに僕を抱き上げ寝室を出た。
寝室を出た先は仕事部屋のようになっていて、その向こうは来客用の部屋になっていた。
部屋を出て、天井の高い赤いマットの敷かれた道を王は僕を抱きながらあるき、その後ろを静かにラウさんが歩いていく。
誰も人がいない。
すれ違う人がおらずより広さを知ることが出来る。
横抱きにされているからだろうか。王の心臓の音が聞こえた。ドクドクと規則正しく動く胸に何故か安心した。
心臓の音を聞きながら、顔を上げると王の顔が下から見えた。光る金髪に時々見える赤いピアス。
歩くたんびに動くそれに何だか触れたくなって手を伸ばす。
「これ……」
なんて綺麗なんだろう。
「『 欲しいのか?』」
「え!そんな。」
そんなつもりで触った訳では無い。ただ綺麗だなと思って……
「『 部屋に戻たら、やるよ。』」
「で、でも」
「『 ついたぞ。』」
でもと悩んでいたらいつの間にか大きな扉の前にいた。
さっきラウさんが前王と言ってた。前王ってどんな方なんだろう。なんで僕をここに呼んだのかな。
考えるとキリがないがなんだか不安になってきた。
コンコン
『 失礼します。姫を連れてま知りました。』
そうラウさんが言うと中からメイドの格好をした高齢の女性が出てきた。
『 どうぞ、お入りください。』
そう言って招き入れると、中に大きなベッドに横たわる老いた人がいた。
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