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時雨
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「どうしたの?」
泣き崩れていた俺に声をかけてきたのは、1人の青年だった。
「こんなとこで1人で泣いてるから、つい声かけちゃった」
その人は俺の隣に腰掛けるとにぱっと愛らしく笑った。
「あげる」
そう言い手のひらに置かれたのは綺麗なピンク色をした小さなマカロン
「食べて」
食べると外はサクッとしているのに、すぐにとろけて口の中にふわっと苺の香りが広がった。
これは……とてつもなく美味い……
マカロンのくっつく感じもないし、風味も香高く、そこらで売ってるものとは格別な気がした。
「おいしい……」
「ほんと?!よっしゃー!」
「うん……!!すごくおいしい!!こんなおいしいマカロン初めて食べた!!」
「ははっ!元気でたね!」
はっ……!とする。
あ、この人、俺を元気づけようとしてくれたんだ……
「あ、ありがとう…ございます……」
「いいよいいよ。何があったのかは知らないけど、君、笑顔すごく可愛いから、笑ってた方がいいよ」
「え……っ」
「俺、東条時雨(しぐれ)、君は?」
「佐藤海月……」
「みづきね!あ、俺んち洋菓子店やってんだけど、来ない?」
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