アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
03 (時雨side)
-
どうしたものか……
午後から海月と出掛けてめちゃくちゃ楽しくて……それから水族館に来て、はしゃぐ海月が可愛くて可愛くて……
だけど海月がいきなり泣き出したのだ。
「海月、落ち着いた?」
「ん……」
外に出て、人気のないところに行き、近くの公園のベンチに腰掛けた。
「ごめん……俺…時雨の前で泣いてばっかり…」
「ううん…」
西山の事かな……
目元を泣き腫らして、俯く姿は小さくてとても弱い。
どうしたら俺は、海月の力になれるのだろうか
無力な自分が悔しくて、海月の震える小さな手をぎゅっと握りしめた。
これが……西山なら、きっと海月は嬉しいのかな。
今日だって、出掛けるのが俺じゃなくて、西山だったら、海月はどんな顔をしてたんだろう。
どんな顔して、隣を歩くのだろう。
今日の海月も可愛かった。でも、西山の前だったらもっと可愛いのかな。
西山は海月をこんなに傷つけてるのに、どうして海月は西山のことを選ぶのだろう。
左手に海月の右手の体温をだけを感じ、沈黙が続く。
静かな空気が漂う中、俺の中で1番出してはいけない考えがよぎった。
俺じゃ…………だめかな…………?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
117 / 224