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次の日
学校に行くと、1人の女子が俺を呼び出した。
そいつは昨日の女子達の中の1人だった。
しかし、昨日は端の方にいたからよく見ていなかったが、よく見るとかなり地味な奴だ。
眼鏡をかけて、三つ編みをしている。とてもいじめをするような人には見えなかった。
「あの…すみませんでした…」
「俺に謝られても困るんだけど」
「そ、そうですよね…あの…その…」
そいつは俺に謝ると、もごもごと何かを言うが声が小さくてよく聞こえなかった。それから次第に泣きそうな顔になっていくのがわかった。
「なんだよ。ちゃんと言えよ」
「は、はい…あの…いじめの件なんですけど、私、脅されてるんです…、昨日の子達に…」
「なんて?」
「は、はい…あの…わたし、朝香ちゃんと仲良いんです…。あ、朝香ちゃんはそんなふうに思ってなくて、私が勝手にそう思ってるだけなんですけど…、去年の夏くらいに、図書館で会ったんです…
私、学級委員で…図書館で作業してたらあの子達が邪魔してきたんです。プリントをばら蒔かれちゃって…その時に朝香ちゃんがプリントを拾うのを手伝ってくれたんです…。それで、朝香ちゃんって美人なだけじゃなくて、本当に優しくて、素敵だなあって…思いました…、
それから図書館でよく会うようになって、本の事いっぱい話したりしたんです…、クラスは違うけど、廊下とかで会ったらこんな地味な私にも声かけてくれるし、嬉しくて…
でも、朝香ちゃんがいじめられるようになって、わたし、どうしたらいいかわからなくて…でも、見て見ぬふり出来なかったんです…、でも朝香ちゃんになんて声掛けていいかわからなくて…、何度も声かけようって思ったんですけど、つい避けてしまって……、それでいじめをしてる人達に、やめた方がいいって言ったんです……、そしたら、『朝香ちゃんをいじめてるのはお前の指示って事にしろ。出来ないなら今度はお前が標的だ。』って……」
そいつは半泣きになりながら必死に話してくれた。
俺は「わかった」と、そいつの頭を撫でてやった。
「ありがとう。言ってくれて。俺がなんとかするよ。」
「ごめんなさい。私、弱くて…何も出来なくて…最低ですよね…」
「ううん。君は強いよ。そうだ、君名前は?」
「薊です。露崎薊。」
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