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杏奈の足を気遣って今日は早めに出て
ゆっくりめに歩いた。
「痛い?」
「うん痛い。イライラする」
「…そっか、もうすぐで学校だから頑張って」
終始イライラしている杏奈を横目に
俺達は歩いた、そしてやっと門の前までたどり着いた。そしていつも通りの明るい声が聞こえる。
「あーーーーんなちゃん!かーーーーんなちゃん!!おーーーはーーーよーーー!!!」
「森、黙れーーーー」
「ぅへ?!酷くね?!?!」
上の階の窓から俺達の名前を叫ぶなおは
いつも通り、先生にいじられている。
そんななおを見て今日も元気だなと思うと同時に
やっぱりいつも通りだ…と悲しくもなる。
「……」
「神奈?」
「何?」
「顔怖いよ」
杏奈は俺の顔を覗き込むように問いかける。
元々俺はよく人に怖がられる顔をしている、それがコンプレックスでもあるのだが。考え事をしたりするとそれが一層引きたつ、俺は今どんな顔をしていたんだろう。
そう考えながら下駄箱まで歩いて行くとなおが
ダッシュで迎えに来る。
「あんなちゃん!!足大丈夫?!?!
病院は?!ちゃんと行った?!」
「なお、朝からうるさい」
「だってぇぇぇぇぇぇ!!!心配じゃん?!?!なんだったら朝、俺が自転車すっ飛ばして迎えにいこうか?!連れてくよ?!」
「なおと自転車とか危なすぎて乗れない」
「ひど!!!!」
いつもの光景につい微笑んでしまう。
明るいなおと冷めた杏奈、仲が悪いようで仲がいい。なおと出会って杏奈も学校が楽しそうだ。
「神奈」
「!」
「あああぁぁ!!ヨッシーおはよぉぉ!!!」
「俺は神奈を呼んだんだ。お前じゃねぇ」
「皆、俺に当たり酷くね?!」
なおとヨッシーのやりとりを見て
また微笑んでしまう。平和だと感じる俺は一体
どーゆー立ち位置なんだ?
「おはよ、ヨッシー
今から売店付き合ってもらってもいい?」
「いいけど、なんで売店?朝飯?」
「あー、うん」
ちらっと杏奈に視点を移すとヨッシーは
『なるほどね』と何かを察したらしく何も言わなかった。
だがしかしなおは違った
「ぇぇぇぇぇぇ!!!
なになに?かんなちゃん売店?俺も行く!
あんなちゃんも行こうよ!!!」
「っこの…バカ……。」
ヨッシーの指摘に気づく気配もないなおは杏奈に何回も行こうと言っている。これはまずい…。
「は?この足で?」
「ぇ、あぁ…。そっか!!!
あんなちゃん足痛いもんね!!やめとこ!」
「それに、神奈が悪いから朝ご飯無しに
なったんだから俺が行く必要ない。あー思い出したらイライラしてきたーーーーーー。」
「え?そなの?かんなちゃん何したのwww」
「……行ってきます。」
そして俺達は別れた。
途中、ヨッシーになんで怒らせたか聞かれたけどお姫様抱っこの件はヨッシーは知らないからただいじめすぎたと答えた。
そして売店に行ってパンを買ったはいいが
俺が最後の一個を買ったことで後に来た女子が
買えず落ち込んでいたのでついあげてしまった。
「お人好し」
「………」
たまに自分の性格が嫌になる。
結局、今日は朝飯抜きだ…
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