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あれから30分は経った
タクシーは結構遠くまで走って行く。
まさかこのバカ、隣町に住んでるのか?
どーしよ…帰るの結構時間かかるじゃん
神奈に怒られる。
横を見るとスヤスヤと気持ち良さそうに眠るバカがいて、思いっきり腹を殴りたくなった。
なんでお前はそんなに呑気なんだよ。
慣れないお節介はするものじゃないな
いつものように人に手を差し伸べてる神奈が
心の底から凄いと思った。俺には不向きだ。
でもあのコンビニは俺がよく行くコンビニだし
あそこで酔っ払いを放っておいたら、イメージ悪いしな…はぁ、めんどくさい。
そしてタクシーは高級マンションが並ぶ街の
1番大きなマンションの前に止まった。
「お客さん、着きましたよー」
「(え、こいつの家…ここ?)」
「むぁ…ふ…」
「おい、起きろ家に着いたぞ。」
起きる気配のないバカにタクシーの運転手も
困っている。揺すってもなかなか起きないので
仕方なく俺が車から降りてバカを引き寄せタクシーから降ろす。
なかなかの体格をしたバカに女と間違われるほどの俺、しかも俺は足を怪我してるしこのバカを支えるのはとても難しい。そんな俺を見て運転手さんはわざわざ車を降りて手を貸してくれる。
入り口に入るとポストに山本と書いているのを
見つけ機械に部屋の番号を打ち込む。
そして指紋認証が出て来たので酔っ払いの手を
掴み手を合わせるとロックが空いた。
最上階って……こいつなかなかのお金持ちか?
「あの〜…」
「なに……あぁ。」
俺はバカの鞄を探り財布からお金を取り出して
タクシー代を運転手に払う。ここまで運んでもらえればエレベーターで登れるし、もう大丈夫だ。
俺はタクシーの運転手にお礼を言い
エレベーターに乗り込んだ
だがそこで気づいてしまった
「タクシー帰しちゃだめじゃん!」
声に出てしまったことはもう気にしない。
俺はタクシーで帰るんじゃなかったのか?!
タクシーに帰られたら俺が帰れねぇじゃん
俺、ここの住所知らないし携帯ないし…
そんなこんなで最上階までエレベーターは
到着し、とりあえず俺は部屋までバカを運ぶ
「おいバカ、起きろ鍵開けろ」
「はぁ〜〜い…」
だめだこりゃ、俺は鞄からキーケースを見つけそれっぽい鍵を使い鍵を開けた。
「玄関、広…。」
家に入るとそこには
靴がちゃんと揃えられていて無駄な物がなく
清潔感があり、一面大理石の玄関。
こんなのテレビでしか見た事ないんだけど…
ってかバカに似合わなすぎて気持ち悪い
そしてまっすぐ進むとリビングらしき
部屋についてソファーがあったのでそこに
寝転ばせる。なんで俺はこんな事してるんだと我に帰りバカバカしくなった。
「…ぃっ…た…」
2人分(バカと自分)の体重を支えたせいか
俺の足は限界を迎えようとしていた。
激痛に俺は立つのがしんどくなりソファーの前の絨毯(じゅうたん)にしゃがみ込んだ。
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