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杏奈視点
「杏奈ー、杏奈くーん?杏奈さーん」
「ん…ぅ…うるさい…」
「朝ですよ」
「あと少し…」
あと少しとお願いした俺の声も虚しく、強制的に起こされて背中を押され洗面所に連れて行かれた。
おかしいな、俺の声は届いてないのかな?
「ほら、いい加減起きないとまたくすぐるよ」
「ワーキョウハクサレテルーー」
「ほら、1人で立って!制服に着替えて朝ごはん食べるんだよ。先に食べてるから」
お前は、一体なんなんだ。親か?親なのか?
神奈がリビングに行って俺は言われた通りスローペースで服を着替える。
そもそも朝だし、寝起きだし
あんなシャキシャキ動ける方がおかしい。
全国の学生の皆は分かってくれるだろう。
あれ、神奈も学生か…。おかしいな…。
着替えを済ませてリビングに向かうといつも通りの朝ごはんがあってそれをじいちゃんとばあちゃん、神奈と俺で一緒に食べる。
そういえば、兄弟たくさんいるみたいだけどあのバカはこうやって皆でご飯食べた事あるんだろうか…。
「杏奈、口元ケチャップ付いてる」
「まじか」
「ふふ、杏奈はまだ子供さんね」
こんな日常的な会話ってしてきたんだろうか。
なんで朝からあんな奴の事考えてるんだ…俺は。
そーいえば今日身体測定か…、牛乳飲んで行こう。
「今日牛乳飲んだからって身長伸びないからね」
「怖いんですけど…。ってか神奈も体重測られるからって朝ごはん少なめにするとか女子じゃん。」
「うるさいです。」
俺たちの会話を聞いてじいちゃんもばあちゃんもニコニコしている。じいちゃんに関してはもうほとんどニヤニヤだ。
こいつ、昨日盛ったんだよ、俺に。
じいちゃん、ばあちゃん…騙されないで。
「神奈、それちょーだい」
「いいよ」
「もう、杏奈!神奈のご飯無くなるでしょう」
「いいじゃん、くれるんだし」
こいつはこれ以上大きくなっちゃいけないんだ。俺がその為にストッパーになってあげてるんだ。
と、適当な理由をつけて神奈のおかずのほとんどを食べた俺。
ご飯を食べ終わって神奈が忘れ物がないか確認する。そーいえば昨日の支度途中で終わらせてたけどばあちゃんがやってくれたんだな。感謝…。
「忘れ物ない?」
「あっても別に良くない?」
神奈は屁理屈ばかり言う俺にチョップをかまし、
だらだらしている俺を玄関に引きずり出す。
「「行ってきます」」
あー、学校で火事でも起きないかな…。
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