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「なんで、保健室行くんだよ」
「うっせ、どうせお前くだらない恋話でもさせんだろ?」
「保健室でもするかもじゃん…」
「しねーだろ」
俺達は荷物を取りに教室に戻って、たわいない話をしている。
保健室に行って一体何をすればいいんだ。
よっしーと教室で話していたい…。
「よし、行くぞ」
「…うん」
用意のできたよっしーが教室を出るように催促してきたので、それについて行き俺達は教室を出た。
そして階段を降りている途中によっしーが俺の顔を見てきて話を切り出す。
「ってか、お前も好きな奴とかいねーのかよ」
「え、俺…?」
「今、俺とお前以外に誰がいんの」
「俺か……、考えた事も無かった…。」
「ま、お前には片割れがいるから恋人とか作ってたらやってられないよな。あいつお前無しじゃ生きていけないだろうし」
「……そうでもないかもよ」
俺もそう考えてた、杏奈は俺がいなきゃいけないと。でも今はそれが分からなくなってきた。
恋っていうものは自分でするものであって、誰かが口出しをしてはいけない…そう思ってるから。
まだ、あの先生に恋という感情は抱いて無いとは思うけど杏奈は俺の手の出せないところに行こうとしてる。杏奈は本当は1人で生きていけるのを俺は知ってる…ただ俺のお節介なだけ…。
「ま、俺には関係ないから良いけど」
「とか言って、俺の事気にかけてるとこ好き」
「うっせ」
よっしーの素直じゃないところとか、嫌いじゃない。皆には分からない不器用な優しさ。
なおが言ってたよっしーはツンデレってあながち間違いじゃないのかもな。
「押してダメなら引いてみる」
「え?」
「今まで片割れになんでもやってたんだろ?それさ、やめてみたら?」
「え、でも…」
「そしたら、あいつも自分でしなくちゃいけない事とか分かるだろ。俺らもう義務教育じゃねーんだぞ」
「…うん」
「ま、お前がしたくないならしなくていい事だからお前の自由だな」
そうだよな、俺達もう大人に近づいてるんだ。
子供とは違うんだ、杏奈にも1人でさせなきゃいけないんだ…。お節介もほどほどにって事か。
話していると保健室に着き、遅いと杏奈となおに怒られた。とくになおとよっしーが言い合ってるだけだけど。
先生はまだ来てないみたいで先生が来るのを4人で待つ事にした。
きっと忙しいんだろうな…。
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