アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
95
-
「神奈、どこ行くの」
「コンビニ、行く?」
「行かない、お菓子よろしく」
あなたのお菓子を買いに俺は今からコンビニに行くんですよ。
現在22時半あたり、なぜ俺がこんな時間にコンビニに行くのかというと、それは杏奈のおやつ補充の為だ。
杏奈はいつも夕食が終えるとお菓子を食べるのが習慣になっている。なぜそれで太らないのか羨ましいかぎりだ。
戸棚を見ると今日の分のおやつはあったみたいだが明日の分のお菓子がなかったので散歩がてら買いに行ってこようと思い立ったのだ。
「神奈」
「なに?」
「なんでもない」
「ふーん、行ってきます」
”気をつけてね”といったところだろうか。
眠い、お腹すいた、暇、など杏奈は何かの意味を込めて名前を呼ぶ事が多い。玄関を出て道を歩き始めるとふと昔のことを思い出す。
あの時はおそらく俺の反抗期だったのだろう。いつもイライラしててこんな顔立ちのためよく不良に絡まれた。不良が心底嫌いだった俺はイライラが爆発して初めて人を殴った。
そしたら、周りから俺は不良だという認識をされた。やっている事は変わらない、人を傷つけて迷惑をかけて、その時の俺はどうかしていた。
家族に迷惑がかかると思って俺は帰らない日や夜遅くに家を出る事が多くなった。
そうだ、いつもこんな時間だったな…
その時もいつも杏奈は出て行こうとすると俺の名前を呼んだ。でもその時の俺は聞こえないふりをして無視をして出て行っていた。
あの時、杏奈はなんて思っていたんだろう。
今の杏奈は俺の事をどう思っているんだろう。
コンビニについて、お菓子コーナーに向かうとそこには子供がいて俺を見てどこかへ逃げてしまった。
俺はよく怖がられる、それは昔からで小さかった時も何もしてないのに俺が犯人にされる事が多くて悪者役はいつも俺だった。それをいつも杏奈は弁解してくれた、冷めた性格から杏奈はあまり人に近寄られなかったが兄弟思いのいい兄だった。
「ポテチとグミと…あとポッキー……、他に何かいるかな」
図体のでかい男がお菓子コーナーの前で真剣にお菓子を選んでいる光景はそう見ないだろう。そのせいか気がつくと凄い視線を集めていた。だから俺はすぐにレジに向かい会計を済ませ帰る事にした。
やっぱりコンビニは高いな…。スーパーで買えばもっと何十円か安い…なんで店によって価格が変わるんだろう、不公平じゃないか?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
95 / 107