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14(神奈編)
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いつも通り話しながら俺たちは歩いた。
俺だってわかってる。
なおは男だから送る必要はない事。
なおならきっと、変な奴らに絡まれても
ついて行くだろうし上手くやると思う。
でも、俺はそんなの嫌だ。お節介かもしれないけど本当は体の関係だって持って欲しくない。
それをするたびになおは、寂しそうにする。
そんな遊びの関係やめてしまえと言いたいけれど、俺にはなおを救う事が出来ない。
何も出来ない、何も知らない俺になおも何も言われたくないと思う。
「なお…」
「ん?なになに?」
あ、声に出てしまった。
気を抜くとすぐに思った事が口から出てしまう、悪い癖だ。どうすればいいんだ、なんでもないなんて言ってもなおには通じないだろう。
「…えっと……、なおは…好きな奴いないの?」
「…え?」
え?俺何言ってんだ?
自分でも何を言ってるのか分かんなくて
フリーズしてしまった。
「かんなちゃん?」
フリーズした俺を見て、なおが問いかける。
困らせてしまったかもしれない。どう、言葉を変えればいいんだ。
そうやって悩んでいるとなおが口を開く。
「いないと思うよ〜?
いたら遊びなんてしないっしょ!!」
もっともな意見です。
俺もそれは分かっていたはずなのに
なぜか口が滑ってしまった。
「そ、そうだよな。ごめん」
「でも、かんなちゃんとあんなちゃんそれに
ヨッシーは特別好きかなー!あ、やっぱヨッシーなしwww」
「俺達?」
たしかになおは、皆と仲良いけど
弁当食べる時も移動教室もいつも杏奈といる。
双子の俺が言うのもなんだけど杏奈は掴みづらい性格だし、冷めてるしなおとは正反対のタイプだ、もちろん俺とヨッシーもだ。他の人といた方がなおはきっと楽しい。
なのになんで…
「それに誰かを好きになっても、その人が俺の事好きになるとは限らねぇじゃん?いつか別れるかもしれないしさ!wほら、俺こう見えて結構打たれ弱いじゃん?恋愛とか向いてないってww」
そう言ったなおの顔は
いつも通りに見えてどこか悲しげだった。
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