アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
僕の幼い頃の話
-
「ありがとうございました!」
その一言。
それだけで、“ソレ”を見ていた人達は立ち上がり、歓声を上げて拍手した。
僕はその時、拍手も、歓声も、立つことさえもできなかった。
ただ呆然と、舞台を見つめていた。
それは、つまらなかったからじゃない。
その逆で、
感動したから、何も出来なかったのだ。
演じる方々ももちろんすごい。
だけど、僕が本当に感動したのは、
『物語』の方。
この物語は全て、ある人のオリジナルらしい。
何かをアレンジしたわけじゃなく、全てその人が考えて作った、オリジナルの物語。
こんなすごいストーリーを考える人が、この世界にはいるんだ。
「すごい…」
結局、その時に出た言葉はこれだけだった。
その日から、僕は、よく演劇を見るようになった。
いろんな人の物語を見るために。
見れば見る度、僕は考えた。
『僕も書きたい』、なんて。
だから、書いた。
僕の、僕だけの、物語。
「昨日はここまで書いたから、次は…」
高校生になった、今でも、僕は書き続けている。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 2