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そして今に至る
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僕は、小さい頃から使っている、一冊の本がある。
1ページ目は、僕じゃないと読めないくらいの汚い文字が並んでいて、
200ページくらいから、段々と、字が綺麗になっていて、漢字も多くなっていく。
改めて見ると、もうボロボロだ。
多分、普通なら捨てるのだろう。
でも、僕には、このボロボロのノートを捨てることは出来ない。
僕の物語が、たくさん詰まっているのだから。
誰にも見せたことはない。
誰にも演じてもらったことはない。
やっぱり作る側としては、演じてもらいたいところはあるのだが、見せるのは恥ずかしいし、ましてそれをみんなの前で演じられるなんて、死ぬレベルでやめてほしい。
それに、僕は人と関わるのは苦手だから。
書くだけでいい。今までも、これからも。
そう思っていたのに。
「なぁ、これ書いたのってお前?」
「…は」
僕以外の人に、見られるなんて。
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