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彼の名前は水俣隆貴(みなまたりゅうき)
彼は金髪青眼のハーフだ。
身長は高く、体はスラリとしていて、まさに王子様だ。
その一方、黒髪平凡顔の俺佐渡士郎(さわたりしろう)は身長は169という170センチ手前で止まり、体型も普通。変に痩せたり太っていたりはしないが、どこにでもいる高校生だ。
幼稚園の時、隆貴が引っ越してきた。
そこからずっと不思議な縁は続いている。
彼とは幼なじみで“親友”であった
“あった”と過去形なのは、俺が隆貴にあらぬ思いを抱いてしまったからだ。
いや、はっきり言ってしまおう。
俺は隆貴が好きだ。
自覚したと同時に固く固くこの気持ちに封をした。
自覚したのは中学生の頃。
たしか隆貴の身長が伸び出したのもこの頃だ。
身長が伸びるとともに今のようなモデル体型にすくすくと成長していった隆貴はこの頃から人気者であった。
俺はこの気持ちを自覚してから隆貴とはもう一緒にいられないと思った。
だから、俺は中学を出て、遠く離れた地で知り合いのお兄さんのところから学校に通うことにした。
隆貴との不思議なまでに続いた縁もここで切れるだろうと思っていたが、隆貴は実家の近くの学校ではなく、
わざわざ一人暮らしをしてまで、俺と同じ学校に来た。
「俺達は親友だろ」
どうしてついてきたのかと問いただした時に帰ってきた言葉。
それは俺の心をずたずたに引き裂くと同時にホッとした。
まだ俺と親友でいてくれるんだと。
でも思うんだ。
醜い心を押し殺して高2まで来たが、隆貴に声をかけられる度、笑顔を診る度
俺は隆貴を裏切っているんだなっと。
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