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Queenの心理
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※引き続き番外編です
✲Queen side ✲
俺の足音に揃って違う足音が聞こえる。
気配を消してはいるが追い風のため微かに音が聞こえる。
「…何のようですか?」
立ち止まり声を掛ける。すると路地裏の不気味さには似合わない明るい声が聞こえてきた。
「さっすがQueenだね!頑張って気配消したんだけどなぁ?」
「…風上から歩いてきたら流石に分かる」
ケタケタと笑うheavenに少しイラつくがそれではこいつの思うままだ。
「それなことよりお前、俺の情報流したな?」
情報屋がそんなことするはずがないし、うちの隊員は言わずもがな。だとしたら残るはこいつ。
「あっれぇ?バレちゃった!まぁいいじゃん!減るもんでもないしさ!」
「…もし何かあったらどうするつもりだ?」
情報の漏洩で潰れた族は数え切れないほどある。もしかしたらその一つになる可能性だって0ではない。
するとさっきまでのただの巫山戯た声音とは違う憂いを持った声でheavenが言う。
「___そんなことになったらそいつらをぶっ殺すだけだよ。」
「っ!…俺は帰る。変な行動してないでさっさと黒川のとこへ帰ればどうだ。」
背筋に悪寒がはしる。自分が裏切る立場には行かないと思ってはいても、もし裏切ったときこいつに殺される。そんな恐怖が一瞬で張り付いた。
しかし、もうheavenはおちゃらけた声音に戻っていた。
「いやぁちょっとだけ新入りの偵察に行ってこようと思ってさ!なんだっけ…つき、つき…?」
「…月影藍。」
「そうそれ!藍くんだよ!なんか面白そうな子らしいじゃん?この前一瞬見ただけてすぐにビビっときたよ!あれは面白いことを持ち込んでくれるってね!」
こいつにとっての面白いは俺たちにとってのめんどくさいことだろ。やめてほしいものだ。
だが、こいつのお楽しみを邪魔したらどうなることか…
「そういや、黒川さんが言ってたけどあの子も学校に通わせるらしいね!それに俺もついて行けって言われてね!本当楽しいよねぇ!」
…まじか。
今の有栖で学校に行っているのは3番隊の俺とprincess以外の奴らだ。まぁ、行っているっていうか通信制なんどけどな。
けど、黒川が行かすとすると全日制の高校なんだろうな。俺とは違って安定した収入だし。
「変なことすんじゃねぇよ。あいつは___」
「あいつは黒川のお気に入りなんだから、でしょ?それくらいちゃーんと分かってますよ!お嬢ちゃん!」
ぷくく、と言いながら笑ってくるこいつにさっきの奴らとのことを見られていた事を悟る。
どこから見てたんだか。。。
「Queenは髪が長すぎなんだよ!その鬱陶しい…触覚って言うんだっけ?邪魔じゃない?切ったげようか?」
heavenはだから女子に間違えられるんだ、と付け足した。
…それはわかるけど。
「……顔を隠せるくらいの方が動き安いんだよ。」
『また言い訳だ』そう言うheavenを無視して闇へと歩く
今度はいつ仕事が入るんだろう。次はいつ、誰が殺されるんだろう。もしかしたら自分かも知れない。でも違うかも知れない。
いつの日からか上がらなくなった口角がいつか上がることをただ祈ろう。
今日は月が綺麗だ。どっかの作家もこんな月を見たのだろうか。
だったら俺の世界にもこの月光を届かせて貰いたい。
それを不可能だと知っているからこんなに虚しいんたよな。
そうだ、本を読もう。昔のように夢中になって読むことは出来ないけど、本を読もう。そうすればきっとあの日のように。。。
月明かりが2人を照らしてくれるかもしれない。
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