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漁船
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波が打ち上げられるのを1列に体操座りで座って眺めている4人の男共。
ほんとふざけんなって言いながらPrincessが1人で全ての準備をしてくれている。
やっぱりあの子いいこだよ…だって俺が手伝おうとしたら
「気分悪いやつは何の心配もせずただ海だけ見ときゃいいんだよ」
って吐き捨てるようにだったけど言ってくれたからね。
あれは俗に言うツンデレってやつだね。
丁度座っている俺の視線の先まっすぐに赤々とした夕日が少しだけ海に沈んでいた。
「……皆もう治まった?」
島に到着してから結構経ったからそろそろ大丈夫だろう
「…別に私は気分が悪くなったわけではないので」
「お前に聞かれるとっくの昔に治まってるから」
「……まあまあマシになったかな」
Clown以外可愛くねぇ答えだな。こいつらとやっていけるか途端に不安が押し寄せる。
編成に不満を感じていると遠くから船がこっちに向かってくる音が聞こえた。
「……あーあれは島民の漁船ですね。一旦姿を隠しましょう。」
「は?祟りとかで島民は誰もこっちに来ないんじゃなかったのかよ?」
dressの言う通りなのだが…実際船は着々とこっちに向かってきている。
これは理由を聞くよりも先に隠れた方がいいかもしれない
Princessも来ることが分かっていたかのようにテントも物干し竿も海からは見えない木の影になる位置に設置していた。
「祟りがある、と信じられているのは本当です。しかし島の認識は陸に上がればアウト、だから海はセーフっていうわけなんです。」
なんとも屁理屈と言えそうな返答に顔を顰めてしまう。
俺以外も似たような顔をしていたが。
「幸いすぐに日も落ちる。てめぇら絶対動くなよ。」
動いたら生け捕りからの祟り扱いで任務失敗だぞ、とPrincessは真面目な顔で話す。嘘ではないようだ。
任務失敗は極刑と為す。有栖に恥を塗る者も極刑と為す。
皆一斉に気配を殺す。それは有栖のモットーからか黒川のプロパガンダからか。
30分ほど経った時、また船の稼働音が聞こえた。
しかし今度は段々遠ざかっていく音だ。
夜の漁は危険だと判断したようだ。
完全に音が聞こえなくなってから5分後、全員が集中を解いた。
「どんだけ魚取ってんだよー長いっつーの。」
すぐに苦言を漏らすdress
「いや普通はもうちょっと長くやりますからね。日が落ちたからでしょう。」
適切な回答Queen
「日が落ちてもライトとか使わないの?」
素朴な疑問俺
「ああ、この島は電気を使ってはいけないんだよ。」
「「「は?」」」
「懐かしーな。」
「ですね。あ、あれ覚えてます?中村さん家の…」
「あーあれな!あれは…」
衝撃を受けている俺たちを放って思い出話を始めるBLOOD兄弟。
いや、いやいやいやいやこのご時世に電気使わない?ありえる?そんなの。
答えは否。ありえない、でしょ。
でもこいつらが嘘とかつくやつではないのは知ってる。しかもこんな状況下で。
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