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4人目
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母親と黒川は状況が飲み込めていないらしく口を開けたままheavenを見つめている。
あの黒川のこんな呆けた顔中々見れねぇぞ…レアだな…
さっきまでのオドオドキョドってたのはどこのどいつだよってレベルでいつもの調子を取り戻した問題児はニコニコしながらその先を口走った。
「んで!!面白いから3番隊の倉庫で暮らす!!だからQueen俺のこと養ってね!!」
「はぁ?なんで俺が……」
2人で勝手に話を進めないで欲しい。何も分からない。
「え、…あの…坊や…?母様のところは…いや、だったのか…?」
顔色を伺うように心配そうに尋ねる。
「母様のこと大好きだし嫌じゃないけど今は才和と居た方が楽しいから!!…落ち着いたら4人で帰ってくるね。」
「坊や…!!待ってるぞ…!!」
今までの悲しみの涙とは別の嬉しそうな涙だった。
周りの島民も涙ぐんでいる。
「………あれ…?っおま、え、4人て気づいてたのかよ!!?」
さっきまで空気と同化してたPrincessが急に何かに気づき叫ぶ。4人て誰だよー…
「落ち着きなさい。この情報通が気づかないはずないでしょう。後から詮索されるのが面倒だったので私が先に言っておいたのです。」
いつもの敬語に戻ったQueenが淡々と述べる。こいつのこの切り替えも未だ慣れない。
「……才和や。あと一人は…?…っ!?もしかして…!!」
「朔耶様、お察しの通りでございます。当時、我が母のお腹におりました赤子は今も元気に生きております。…可愛い女の子であります。」
島民達が一気に盛り上がる。
『あの時のお腹の子か!』『そうか、生まれたか!』『雛子様の娘だとよ!!』『どっちに似たんだろ!』『宏も喜ぶだろうなぁ…』
もしかして4人目はWorldってことか?それに生まれたこと知らないってどんな状況だったんだよ…
「…そうか雛子は最期まで頑張ったのか…私とのっ…!!約束のために…!!」
約束…?
「はーい内輪ネタはこれでしゅーりょー。黒川さんその話飽きちゃった。」
周りの空気が一気に凍る。
「てか、お前らもさぁ何の目的でこんな島まで来てるのか忘れてんの?heavenに至っては3番隊?あとで、覚えとけよ。」
今まで忘れていたがそうだ、こいつは有栖のトップだったんだ。怒らせてはならない存在だったんだ。
全身の毛穴から冷や汗が湧き出る。
何されるんだ、怖い。怖い。
自分の体を抱きしめ身体の震えを抑える。
その時肩にポン、と温かい手が乗せられた。
「ごめーんなさーい。取り敢えず殺気しまったらどうです?」
しーん、とした空間に能天気なheavenの声が響く。
こいつやっぱりすげぇな。
「…やめなさいheaven。空気を読んでください」
いや、お前も読めよ。
そう突っ込みたいが生憎俺は全身震えてしまってとても声なんか出せない。
けれど、確実に先程よりも楽になった。
この空気読めない2人のおかげで。
「…はぁ、お前らなぁ…取り敢えず任務から先やるぞ。」
居たんだってレベルで存在感なかったClownが喋った。
今までずっと隣に居たけどびっくりするほど存在ねぇのな。
「…そうですね。では改めて今回伺った要件の説明をdress、お前がしろ。」
「……は?なんで僕が……ええっと、BLOOD兄弟…じゃねぇや、ここにいる3番隊隊長Queenと副隊長Princessの正式な引き取りが目的で来た。」
「……居たんだ」
あ、声出た。
「ああ?」
めっちゃ睨まれたぁぁぁあ!!!
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