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《番外編》make for you③
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「ふぅ。やっとできた」
できたとは言ってもまだ①の切る工程だけである。
そしてここまでに有した時間は約1時間。
人様の10倍はかかっているのではないだろうか。
「カレーの具ってこんなだったっけ?」
紫音の前には本当に切ったのか疑うほどでかい野菜が転がっており、そして玉ねぎに関しては目が痛かったのか、はたまた切りにくかったのか、どう見ても四等分である。
【②厚手の鍋にサラダ油を熱し、①を入れ炒める。】
「鍋に……サラダ油??大さじ??ってなんだ??これでいいか」
紫音はちょうど目に入ったごま油を手に取り、「大さじ1」の意味もよくわからずにドバドバと鍋に投入する。
「で、肉とさっきのを入れればいいんだよな」
肉はあらかじめ細切りにしていたものを買ったため、問題はなかった。
だが全体的にそれ以前の問題である。
ジュ----ッ
「ヤッベ。めっちゃいい匂い。」
それはごま油で炒めているからである。
「こんなもんかなー」
デカく切りすぎてほぼ火の通ってない野菜達を差し置き、
紫音は次の工程に取り掛かる。
【③水を加え、沸騰したらアクを取り弱火〜中火で材料が柔らかくなるまで15分ほど煮込む】
「アク??」
まぁここまでくるとなんとなく察せるが、紫音は分からないことは見て見ぬ振りをする。
アクなんか取るわけがない。
ーー
15分経って、紫音は鍋の中を確認する。
「あれ。おかしいな。全然柔らかくない……」
当たり前だ。
あんな大きさで切って、ちゃんと火を通さずにたかが15分煮込んだだけで野菜が柔らかくなるわけがない。
「まあいいや。海堂さん帰ってくるまで煮込んどこ」
紫音は蓋を閉めて弱火のまま、リビングへ逃げた。
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