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《番外編》ハネムーン体験記⑪
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***
「ん…………」
目をこすって辺りを見回すと、もう夜がきていて外は真っ暗。
部屋の明かりも付いておらず、人の気配もない。
「誠さん、どこ??」
ベッドから立ち上がり、暗闇の中を手探りで歩く。
コテージの中は全て真っ暗で、どの部屋にも誠さんがいる様子はない。
俺は不安になって玄関から外を覗いた。
夜になり少し冷たい風が俺の体を冷やす。
「誠さーん!どこー??」
少し大きめの声で呼んでみるも返事はなく、ただピューピューと風の音だけが聞こえた。
何故だか悪寒が走り、俺は左手にキラキラと輝くシルバーリングをギュッと握った。
「誠さん…………」
外に出ていると判断した俺は、タオルケットを持って、玄関でタオルケットを被り、丸まって誠さんの帰りを待った。
ーーー
0時を回った。
誠さんはまだ帰って来ず、本当に不安になって、俺は靴を履いて外に出た。
水上ボートは置いてあるため、この島内にいることは明白だ。
コテージの裏の大きな森の中にいるのかと、俺は少しだけ空いた草の隙間から中へ入った。
ギーギーと得体の知れぬ鳥の声がする。
カサカサと動物が動く音や、強い風に吹かれた草が俺の肌をくすぐったり、時々長く生えた木の枝が肌を切った。
「誠さん…」
フラッと視界がくらみ、一旦その場にしゃがみこむ。
枝で切ってしまったところからは血が滲んで少し痛んだ。
スマホを持ってきたはいいものの、充電が切れてしまって使い物にはならなかった。
「ここどこ………」
真っ暗で右も左も分からないまま、途方にくれた俺はとりあえずコテージに戻るため、来た道を戻ろうと足を進めた。
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