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《番外編》ハネムーン体験記⑬
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海堂side
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コテージにつきとりあえず暖を取らねばと思ったが、熱帯地方で暖炉なんてものはなく、あるだけの布団を集めて濡れた紫音の服を剥ぎとって毛布類で包めた。
紫音の腕や脚の肌蹴ていた部分は虫刺されやかぶれ、傷が付いて血が出ているところもあって、俺は救急箱を開けて一つ一つを丁寧に処置していった。
コテージに着いて息は戻ってきたが、かなり暖かくしているにも関わらず冷や汗をかいている。
紫音の冷えた手を温めてやろうとギュッと握ると、微かに握り返してきた。
「……………まこ……と……さん……?」
「紫音!!!!!」
薄っすらと目を開けた紫音は少し不思議そうな顔をして、俺の手をにぎにぎと掴んだ。
目を覚ましたことに安心し、温タオルで体を拭いてやろうと洗面所に行こうとすると、紫音が弱々しくも俺の手をギュッと握った。
「紫音、体拭こうな。今タオル濡らしてくるから」
「いや……っ。そばに居て」
眉を顰めてそう言った。
たしかに俺が居ないから外に出たとしたら、今また俺がそばから居なくなるのは辛いのかもしれない。
「じゃあ一緒に行こう?体気持ち悪いだろう?」
「ひぁ…っ!」
毛布で包まれた紫音を抱えると、紫音は少しビックリして俺にギュッとしがみついた。
小動物みたいですごく可愛い。
俺はそのまま洗面所へ向かった。
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