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《番外編》バイト始めました⑦
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あれから立ち上がれずにずっとホームにいると、何人目かの人に声をかけられた。
また罵声かと思えば、それは俺を心配してくれる声で、ふと顔を上げるとそこにはいるはずもない誠さんの姿があった。
泣き腫らした目や乱れた服を見られて、軽蔑されるかと思ったが、誠さんを見た安心感からギュッと抱きつくと、コートで包まれ、抱っこされてそのまま家に連れ帰られた。
家に帰って誠さんがスーツを脱ぎ、温かいタオルを持って俺の目に当ててくれる。
事情も聞かず優しくしてくれる誠さんに少しホッとした。
怖くて気持ち悪くて、早く誠さんに触れてもらって上書きして欲しいし、その一方でこんな汚い体を誠さんに触らせたくない。
泣き止まない俺を見兼ねて、誠さんがそっと俺の背中に腕を回した。
「ま、誠さん…、ダメ!!」
「どうして?」
「誠さんが汚れちゃう〜〜〜」
また涙が止まらなくて声をあげて泣き出した俺の口を唇で塞ぎ、俺が落ち着くまでそのままキスをされた。
「紫音、落ち着いた?話せる?」
「ひぅ……っ」
「紫音に触れて汚れたりしないよ?どうしたの?何があった?」
しばらくポンポンと一定のリズムで背中を叩かれて、嗚咽も落ち着き、やっと話せる状態になった。
「先にお風呂入りたい」
「いいよ」
「誠さんも一緒がいい…」
「ん。一緒に入ろうか」
脱衣所で服を脱ぎ、誠さんと一緒にお風呂に浸かった。
俺は思い出してもすぐに抱きしめられるよう、誠さんの上に対面で座って、ゆっくりと事の内容を話し始めた。
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