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《番外編》禁欲!妊娠期間⑥
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海堂side
***
「ただいま」
ガチャとドアを開けるも、紫音の出迎えがない。
いつもなら嬉しそうな顔ですぐ出てくるのに。
昔に一度、出迎えてこなかった時に家の中で倒れていたことがあった。
俺は不安になり、家の中を探したがリビングにも寝室にも紫音の姿はなかった。
すると、チョロチョロと風呂場から水の音が聞こえ、俺はまさかと思いながら急いで風呂場を覗いた。
「紫音!!!!!」
そこには倒れて意識を失う紫音の姿があった。
慌てて駆け寄り腕に抱くと、体はかなり冷えていて顔色もよくない。
すぐにバスタオルを用意して紫音を包み、ポケットに入れていたスマホで田山医院に連絡を入れた。
紫音を抱きしめたままタクシーに乗り、何度も声をかけながら紫音と赤ちゃんの無事を祈って抱きしめた。
ーーー
処置室から田山先生が出てきた。
「先生!紫音と赤ちゃんは…?!」
「大丈夫ですよ。もう少し見つかるのが遅かったら危なかったかもしれない。」
『大丈夫』
その言葉にひどく安心感を覚え、俺はその場に力が抜けたようにしゃがみ込んだ。
紫音に家事をさせなかったのは、今回のようなことが起こらないようにするためだった。
なのにまさか俺がいない時に家事をして意識を失うなんて……。
処置室に入ると少し顔色が良くなった紫音がベッドに横たわっていた。
後悔の念にかられ、紫音の手を握り、お腹に耳を当てる。
紫音の手は体温を取り戻して温かく、お腹の中の赤ちゃんも微かだが動いているのがわかって安心して泣きそうになった。
コンコン、とドアがノックされ、田山先生が「海堂さん、少しお話がしたいんですが」と面談室に通された。
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