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《番外編》禁欲!妊娠期間⑦
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海堂side
***
先生は俺が椅子に腰掛けたのを確認して、目を合わせてこう言った。
「海堂さん、紫音くんと性交していますか?」
質問の意図がわからず、俺は正直に「妊娠してからは一度もしていない」と言うことを伝えた。
続け様に「家事は?」と聞かれ、それもさせないようにしていることを伝えると、田山先生は「なるほどね…」と息を吐いた。
「今回倒れてしまったのは足元が濡れていて滑ったということがもちろん大きな原因としてあります。でもね、海堂さん。妊娠していても多少の運動は必要なんです。紫音くんは久々に動いたから血圧が低下して目眩を起こしてしまったんだと思いますよ」
「だからたまには家事させてあげてください」と、田山先生は笑顔で言った。
きっと俺を責めないようにいろいろ考えてくれているのだろう。
田山先生は「あと…」と少し言いにくそうに話を切り出した。
「今から言うことはお二人のことなのであまり口出しはしたくないんですけどね…」
「なんでしょうか?」
「紫音くんと性行為されたくないんですか?」
思ってもみなかったことを言われ、こんな好きでたまらない奥さんを誰が抱きたくないなどと思うんだろうかと驚いた。
「妊娠だからと言って我慢しなくてもいいんです。寧ろあなた達みたいなお互いを思い合ってるご夫婦はよくあるんですよ。旦那さんが奥さんのためにセックスを拒んで、奥さんがどんどん不安になって精神的にあまりよくない状態になってしまう症例。今のあなた達にすごく当てはまります」
先生は俺を説得させるかのように症例まで出して話してくれた。
でも俺は紫音や赤ちゃんへ負担をかけたくない以外にもう一つセックスに至らない理由がある。
「先生、私止められないんです。」
「……と、言うと?」
「紫音と体を繋げたら止める自信がない。激しくしてしまうと思います。だから…」
「はは。なるほどね」
田山先生は納得した、と言うようにクスクスと笑った。
「海堂さん、これだけ我慢できているんですからきっと大丈夫ですよ。紫音くんも不安がってましたよ?2人とも思い合って、本来出来ることを我慢するなんておかしいじゃないですか」
「そう……ですよね……。また紫音の様子見てから考えます。」
話が終わったようなので、席を立って紫音のいる病室へ向かおうと先生に背を向けると、「ちょっと待って!」と呼び止められた。
「くれぐれも、中出しはNGですからね!」
そう言って渡された手の中には薄くて破れにくいと評判のあるゴム。
田山先生は物凄い笑顔で俺の背を押した。
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