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《番外編》迫る出産日①
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臨月のお話です。
前回に引き続き妊娠期間のストーリーです(^^)
***
妊娠して9ヶ月。
とうとう臨月に入り、お腹がポッコリと膨らんでいる。
今は週に1回、田山先生の所で検査してもらっていて、もう俺のお腹の中では赤ちゃんがいつでも出てこれるくらいまで大きくなってきている。
暴れる範囲も無くなってしまったのか、胎動は前ほど感じなくなったが、その代わりにこうして検査をして赤ちゃんの状態を知ることで出産することへの実感や、お腹の中の赤ちゃんに愛着が湧いてきた。
「紫音、散歩行こうか?」
「はーい!ちょっと待って〜」
「急がなくていいから。ゆっくり準備しな」
玄関に座って靴を履こうと手を伸ばすが、お腹が邪魔してなかなか届かない。
すると誠さんが俺の足を持って靴を履かせてくれた。
「世話の焼けるお姫様だな」
「あ…、ありがとう誠さん…」
「行こうか。今日は少し外が暖かい」
誠さんと手を繋ぎ、ゆっくりと立ち上がって外に出た。
田山先生に妊娠に向けての運動を勧められ、最近はこうして誠さんと一緒に散歩をしている。
誠さんは俺が気にせず歩けるようにと、ウィッグとキャップをかぶせて連れ出してくれる。
マフラーもしていて口元も覆われており、散歩中出会う人からは女だと思われているようで……。
「あ、お嬢ちゃん、今日もお散歩かい?」
「出産って大変だけど幸せよね。今回が初めてなの?」
「素敵な旦那さんがいらっしゃって羨ましいわ〜。きっと美人さんが生まれるわね!」
近所に住んでいるおじさんや、出産経験のあるお母さん達が話しかけてくれる。
俺が声を出すか渋っていると、誠さんはいつも「うちの奥さんはシャイなんです。俺には甘えてくるんですけどね。可愛いでしょ?」とはぐらかして、周りの女の人をメロメロにしている。
全く。困った旦那様だ。
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