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《番外編》迫る出産日③
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家に着くまであと少しの所でお腹に痛みが走り、俺はその場でしゃがみこんだ。
「紫音?どうした?」
「また…、陣痛がきたみたい……」
んーっと息みながら痛みを逃す。
最近、時々ではあるが陣痛が来るようになった。
誠さんも背中を擦って「大丈夫だよ」と声をかけてくれる。
こんな痛み方は生まれて初めてだったため、最初は痛くて泣いてしまい、誠さんが心配して病院に駆け込んだりもした。
回数を重ねるごとに俺も耐えられるようになったが、やっぱりまだ誠さんが隣にいないと頑張れなくて、自分の精神面の弱さにほとほと呆れた。
「家まで頑張れるか?タクシー呼ぶ?」
「歩く……」
もう家は見えてるのにタクシーを呼ぼうとする誠さんに笑いがこみ上げ、少し痛みが楽になってから立ち上がって、家まであと少しの距離を歩いた。
家に着くと誠さんにソファへ座るのを促され、誠さんが俺をそっと横に倒し、膝枕をして毛布をかけてくれた。
大腿筋で少しゴツゴツしているけど、それが誠さんの脚らしくて俺は好きだ。
「おやすみ、紫音」
ゆっくりと落ちてくる瞼に逆らわずに目を閉じて、少し昼寝をすることにした。
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