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《番外編》迫る出産日④
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目を覚ますと、シチューのいい匂いと誠さんの匂いを感じた。
「あぁ、起きたの?もうちょっとでできるから待ってな」
誠さんはクリームシチューを作ってくれているみたいだ。
そして誠さんの匂いの理由は、俺の腕の中にある誠さんの上着のようだ。
顔を埋めてスンッと匂うと、誠さんに包まれているような感覚になって安心した。
俺はソファから立ち上がり、誠さんのそばまで歩み寄った。
「どうした?」
「手伝う…」
「ありがとう。じゃあもうシチューはできそうだからサラダ作ってくれるか?」
俺は頷いて、冷蔵庫から人参やキャベツ、キュウリを、戸棚からは缶詰のコーンを取り出して、簡単にコールスローを作った。
その後すぐにシチューも完成し、ダイニングで食事をとった。
「紫音、久々にお風呂一緒に入ろうか」
「俺お腹大きいから狭いですよ?」
「いいんだ。最近陣痛の回数増えてきて少し心配だから」
家事を俺にやらせてくれる回数は増えたが、誠さんは俺に構うことが多くなり、家事をするにしても出産のための運動をするにしても全部付き添ってくれる。
「仕事は?」と不安になって聞いたことがあるが、俺が寝た後に夜通しでやっているらしい。
ちゃんと睡眠はとっているのだろうか。
社長がホームワークで大丈夫なんだろうか。
たくさんの疑問が頭を埋め尽くしたが、1ヶ月くらいは佐倉がなんとかしてくれるらしく、本当に人任せな社長だなぁと社員を不憫に思った。
「熱くないか?大丈夫?」
「うん。丁度いい…」
暑すぎるお風呂は良くないと聞いてからは、少しぬるめのお湯に浸かっている。
妊娠してからは長風呂が禁止されているため、あまり満足感は得られないが、それももうすぐ終わりだ。
誠さんにギュッと引っ付きたかったが難しく、後ろから抱きしめられる形で少しの間お湯に浸かった。
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