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《番外編》僕は王子様③
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***
「誠さん」
麗音が寝たことを確認して、俺はリビングで不貞腐れる誠さんの隣に座り声をかけた。
「あんなに怒らないであげてよ。麗音の俺への愛情は恋愛感情じゃないことくらいわかってるでしょ?」
「家族に対する愛情であんなことするか」
「あのねぇ……。じゃあ麗音の前で俺にキスしたり、俺の感じたりするところ触るのやめてくれない?」
「なんでそうなるんだ」
誠さんは自分の行動のせいで麗音がああなってることを分かっていないようだった。
不貞腐れたままでは話にならないと思い、誠さんの膝の上に対面で座って首に手を回した。
「おい、紫音…」
「ちゃんと話聞いて」
「……………わかった。」
やっと話を聞く気になったのか、俺を抱きしめながらも大人しくなった。
「あのね、麗音は愛情の表現の仕方を誠さんでしか学んでないの。だから誠さんが俺にすることでしか、麗音も俺に愛情を示せない。ちゃんと思い出して見てよ、誠さんにだってキスしたりしてるでしょ?」
そう言うと、考え込んで「本当だな…」と納得している様子だった。手の焼ける旦那様だ。
話も終えて、誠さんの膝から退こうとすると、グッと腰を掴まれて動きを封じられた。
「ちょ…っ!何?!」
「今は2人だからいいだろう?」
「ひぁっ…///」
本当に分かっているのだろうか……。
俺のことになると途端に思考能力が落ちる誠さんに苦笑しながらも、流されるように身を任せた。
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