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《番外編》僕は王子様⑤
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麗音が俺を無視し始めて1ヶ月が経った。
無視……というよりかは素っ気なくなったのだ。
今までみたいなスキンシップはもちろん、嫌いなものもちゃんと食べたり、自分で早寝早起きをしたりと、俺の介入を必要としなくなった。
突然すぎる成長に俺は嬉しいのか悲しいのか複雑な心境で、しかも誠さんには異常に懐き出した麗音にどう接すればいいのか分からなくなっていた。
「はぁ……。明日か……」
カレンダーには大きな丸印。
明日は麗音の幼稚園でお遊戯会がある。
女装して誠さんと一緒に観に行く予定だが、麗音は家でセリフなども全く練習しておらず、もしかして役から外されたんじゃないだろうかと心配している。
誠さんが麗音を寝かしつけて寝室から戻ってきた。
麗音が寝ていることを確認し、俺は誠さんに詰め寄った。
「ねぇ…、麗音は明日劇に出るって言ってた??」
「ん?逆に出ないのか?王子様役するって張り切ってたけど」
「ほんと?!よかったぁ……」
劇に出ることがわかって安心した反面、やはり俺の前だけで隠してるのかとショックでもあった。
そんな俺の気持ちを察してか、誠さんはよしよしと俺を抱きしめて頭を撫でてくれた。
「明日、麗音の晴れ舞台観に行こうな」
「うん。俺は男ってバレないようにしなきゃ」
「そのまま行ってもバレないんじゃないか?」
誠さんはクスクスと笑って、俺の顎を掬い、不安をかき消すようにチュッとキスを落とした。
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