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《番外編》仮面の中身は③
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「うちの奥さんに何してるんですか?先生」
リビングのドアにもたれかかって笑う誠さんは今まで見た中で1番怖かった。
何故って、誠さんと付き合ってから今までの約10年間、
誠さんの前で俺を襲った前例はないからだ。
玄関が開いた音に気づかなかった羽柴先生はまだ俺の手首を押さえつけていて、抵抗する俺と涙を流す麗音。もはや弁解のしようがない状態だ。
誠さんと目のあった羽柴先生はカタカタと震え、俺は隙をついて腕を払い、羽柴先生の足元にしゃがみ込んでいた麗音を抱きしめた。
「さて…。どうしようか……………?」
一歩、一歩とゆっくり近づいてくる誠さんに、羽柴先生は後退りをして怯える。
「すみませんでしたっっ!!海堂さんが美しくて、つい!!教職は辞めます!!!!それは覚悟してま……す………」
「解雇はもちろん。それだけで俺が許すと思う?」
人差し指で羽柴先生を持ち上げ、ニヤリと微笑む誠さんはどうやら爆発寸前らしい。
「お前の人生、再起不能にしてやるよ」
羽柴先生の胸倉を掴み、ドスの効いた声でそう言うと、羽柴先生は泡を吹いて意識を失った。
「ま……こと………さん…………」
「紫音。無事でよかった」
ギュ〜〜〜っと誠さんの胸に飛び込んで大きく息を吸うと、誠さんの匂いが広がり、緊張の糸がプツンと切れてブワァッと目から涙が溢れ出した。
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