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《番外編》卒業式④
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「海堂麗音」
「はい!」
大きな声で返事した麗音は堂々と勇ましく、先ほどのスピーチにしても本当に成長したと思う。
麗音が卒業証書を受け取り、礼をして壇上から降りた。
誠さんはしっかりカメラを回し、こちらを向いた麗音にピースサインを送っていた。
「神谷広翼」
「ひゃぃっ!」
広翼くんは少し噛んでしまい、周りがクスクスと笑って、恥ずかしさで顔を真っ赤に染めて壇上に上がった。
可愛すぎて香さんと悶えた。
恭介さんもカメラを回しながら口許が緩んでいるのがわかり、我が子の可愛さに内心悶えているのだろうと思った。
学年全員の卒業証書を渡し終え、最後に校歌を歌い、閉会の言葉をもって、紅夜学園初等部の卒業式は幕を閉じた。
卒業生が花道を通って教室に戻っていく。
俺と香さんは小さい花束を持って、最後に退場する我が子のクラスを待ち望んだ。
「れーくん!」
「広翼〜!」
2人とも誰にもらったのか既に両手は花束でふさがっていたけど、それでも落とさないように俺たちの花束も受け取り、「ありがとう」と言って体育館から退場していった。
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