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麗人
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そこには逃げ出すことすらせずに、ベッドの上でほうけたように座っている青年がいた。
長い金色の髪を肌にまとわせ、状況に呆けたような表情で虚空をみあげている。
「なんだ。あんたも殺されたいのか」
近寄れば、妖艶な美しさをもった全裸の人間だった。
両手足をベッドに鎖で括られて、ベッドから身動きがとれないようだった。
男の体からは上等な香油をまんべんなく塗ったいい香りが漂う。
……あの男の愛人か?まあロクなプレイしてなかったみたいだが。
剣を構えて喉元へと突きつけても、まったく男の反応はなかった。
血に染まった血の剣先を眺めて、意味不明な笑みを刻みぼんやりと宙を見上げガラス球のような青い瞳を揺らし、
「…おねがい………おか…してくれ……」
潰れたような掠れた声で唇に刻む言葉を、懇願で何かを堪えるように無感情に何度も繰りかえす。
ぶっっこわれて、イカれちまってるのか。この男は。
っと、やべえ、こっちにも火が回る。
頭で考えるよりも早く俺は、男を剣で鎖を切りちぎって肩に担ぐと、テントを飛び出す。
俺の背後から炎が爆ぜる音が響き、怒号のようなけたたたましさが打ち鳴り周りが真っ赤に染まる。
肩の上の男はその音すらも聞こえないようで、小さな甘い喘ぎを何度も繰り返し続けていた。
淫売か……。
とりあえず頭に報告して、こいつのことはうっぱらう事になると思うが。
まァ 悪く思うなよ。
俺は馬に跨ると、引き締まった尻を軽く叩き仲間の集まる方へと向かった。
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