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「…ハッ…………、ッ、」
「声、出して……ッ、泉、……ッほら、」
「……ッ!!、フッ、ふっ、……………ハァ、……、 」
いきなり抉るようにして突き刺されたモノの存在を忘れ去ってしまいたくて、泉は枕に押し付けた顔を上げずに唇を噛む。
早く終われ。
早く。
気持ち悪い犯罪者。俺の中から出ていけ。
願いとも言えぬ様な想いを込めるように更に強く唇を噛んだ。
「泉、こっち見て、……また唇噛んでる、ダメだって言っただろ」
知ったことか。こっちだって好きで自分を傷つけているわけじゃない。
むしろ自分を誰よりも大事にしてる。自分の容姿の価値だって知ってる。自分の体の価値だって、ちゃんと知っている。毎日生活のサイクルは崩さないように心がけているし、この監禁部屋から出れないとしても、ただ惰眠を貪る事もせずできる範囲で自分を磨いている。
だけど、そんなのはこの犯罪者の為にしてる事じゃないんだ。いつかここを抜けて自由になった時に美しい自分で有りたいから。幼い頃可愛がっていた少年が褒めてくれた自分で有りたいから。
幸せだったあの頃の100分の1でもいい、幸せを掴みたい。
あの子は元気だろうか。綺麗なエメラルドグリーンの瞳をいつかまた、
「ねぇ、泉、……何考えてんの…、」
バックの体制から正常位に直したアルベルト王子は訝しんで泉を見つめる。
「…俺じゃない他のこと?」
行為中、泉は顔を見せない。
枕に顔を埋めたり腕で顔を覆って表情を見せてくれないのだ。
腕を縛れば見れると思った、そして思惑通り顔を拝めた。
「泉、泉、瞳見せてよ、声聞かせてよ、」
目を強く瞑り声を殺す彼はただの性欲処理機のようで。
そんな風にしたかったのではない。
美しい湖をそのまま閉じ込めたかの様なアパタイト色の瞳に映りたかった、愛してその分愛されたかった。
瞳に映るどころか声も聞かせてくれない青年の陶器のような白い頬を撫でる。
桜色の唇に自身のそれを重ね合わせることはいつものように泉の腕に阻まれた。
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