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「おはよう、泉。いい天気だよ、ここからは景色がいいだろう?今日は空気が一段と澄んでるから特に絶景だよ」
朝、目覚めるとそこには俺を監禁してる男がいた。
名はアルベルト・ソフィーというらしい、この男はメイソン王国第二王子だ。
ブロンドの髪を風に靡かせアメジスト色の瞳をこちらに向けて微笑む彼はきっと女性によくモテるのだろう。
「朝食は何を用意しようか。スコーンかバケットか、お腹が空いていないようならフルーツとヨーグルトにするよ」
とはいえそう言って俺の顔を覗き込む男に俺は監禁されて良いように使われる玩具だから、自らの意思は伝えないようにしていた。
いつだって自分の意思が受け入れられるわけじゃない。
この男の匙加減なのだ。
今は気分がいいから聞き入れようってなっても数時間後には何も聞き入れてもらえない、なんてきっとストレスが溜まりやすい俺には負担になる。
体を好き勝手使われている現状況ですらプライドの高い自分にとってかなりのストレスなのに。
だから俺はこの男と会話をしない。
何も言わない俺に傷ついたような顔をすることにも気づいてる。
すごく身勝手な奴だと思う。
監禁しておいて、絆されるわけがないのに。
「昨夜は長かったしあんまり食欲ないかな。ヨーグルトとフルーツ、運んでくるね」
男が出ていくとガシャンと重い施錠音がした。
顔を上げて鉄格子越しに外を見る。
俺のいる部屋は何階なんだろう、昔のように大地を踏みしめたい。
森の中で静かにまた暮らしたい。
元々貴族生まれの俺はありとあらゆる教養を幼いながらに叩き込まれている。
自分の価値もちゃんと理解しているつもりだ。
俺の見た目は他の誰とも違うから。
ブロンドに緑の瞳があたり前なこの国で銀髪碧眼はあまりにも異色だった。
青に近い緑だったりはいても俺のような水色はいない。
唯一の例外は王家の紫の瞳だが、それとも違う。
全体的に色素の薄い俺はそれだけでも珍しいのに顔だちだって悪くない。
12の頃、両親が死に、親戚に騙され没落貴族に成り下がり奴隷商人に連れていかれる時も「やはり奴隷になるのか」と悲しくはあれど疑問は持たなかった。
俺の造形には価値があることを知っていたから。
それから懇意にしていた貴族が買い取ってくれたが、16の頃俺を実の子以上に可愛がってくれていた当主が亡くなり長男が家督を継いでからは奴隷としての扱いを受けることになる。
長男がずっと俺を性的な相手として見ていることは知っていた。
最初は軽いセクハラから始まり次第にエスカレートしていく行為に危機感はあった。
そして俺は強姦され愛人になるよう迫られた。
翌日、期を見て逃走に成功した俺はそれから一年間近く森にある小さな空き家に住んでいたが、ある日いきなり来た三人の兵士とあの第二王子に連れ去らわれ今に至る。
今思えばあの三人の兵士は王子お付きの兵士だったんだろう。
きっとこの場にいる俺の存在を知る者は王子を含めた四人だけ。
もしかしたら国王と他の王子たちも知ってるのかもしれないけれど。
なんにしろこの部屋に訪れるのはあの男だけだ。
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