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学校
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日曜日を怠惰に過ごし、月曜となる。お弁当はやはり綾が作ってくれて有難い。
ただ気がかりなのは、同じ柄の色違い弁当箱。
怪しまれないか凄く気になる。
「そんなに不安がってるとハゲるよ〜?皆そんなに気にしないって」
「だといいけどさ…そういえば登校とかどうするの?ただでさえ俺ら家反対方向だよね」
「んー……引っ越した事にする?」
笑顔で言った綾に初めてイラッときた。少しは真面目に考えて欲しい。
「ごめんごめん、怒らないで。でもそれ位しか方法無いし、後はダイエット中で遠回りして行ってるんだとか?」
「綾充分痩せてるでしょ……時間ずらして行くしかないか」
「とりあえず今日は一緒に行こうか」
「う、うん」
「綾君おはよぉ〜、あれ?いつもは反対からだよねぇ?」
「ほんとだぁ〜、なんでぇ〜?」
「あはは、ダイエットしようと思って遠回りして来たの」
「綾君は痩せなくていいよぉ〜、私は今の綾君が好きっ」
「あっ抜けがけ〜私も今の綾君がいいと思うぅ〜」
「ありがとう〜」
まさかのダイエット説でほんとに抜け出した。しかし女子というのは凄い。
俺の事を空気かのように扱う。まぁそれでいいのだが。
一緒に来たといえど、綾と俺は別世界の人。
ゆっくりと、ほんとの空気のように距離を離れる。
本を取り出し、揺れる電車の中で読み始めた。俺の世界は、結局は本の中だけだ。
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