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気づいたら②
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「寒っ…マフラーしてくれば良かった」
外は冷たい風が吹いていて、体に染みとおるような寒さが襲う。
カーディガンを着てきたぐらいしか防寒をしていない為、寒さが余計伝わる。
住宅街を抜け、街へ出る。建物が多くなり、人が行き来している。
人とすれ違う度、一人を何故が実感してしまう。
スマホをいじりながら歩く人、電話をしながら歩く人、友達と笑う人。
恋人と笑いつつき合いながら歩く人。
「…………」
心細い。胸が潰れそう。寂しくて、たまらない。
いつからこんなにも俺は弱くなったんだろう。今まで一人でいて、こんなにも辛くなったことなんて無い。
誰のせいだよ。こんな事になったのは。
「あれ……」
角を曲がり、目の前の本屋へ向おうと足を伸ばした時。
見えたのは、隣にいる女子と笑い合う綾の姿。
交差点を渡り、こちらへ向かってくる。
(やばっ………)
別に隠れる必要は無いのだが、つい気まずさに隠れてしまう。
それにしても、何故昨日の制服のままなんだ?
もしかして、その子の家に泊まったから?
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