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ちょっと自分から
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「ふぁあ……あ〜眠い」
「いや授業中も寝てたのになんで眠いの」
「あれ、なんで俺が授業中寝てたの知ってるの?もしかして見てた?」
「っ、た、たまたま後ろ見たら寝てたんだよ!」
たまたまです。ちょっとガン見してました。
綾は窓に近い裏側なので、その位置は春とかぽかぽかして暖かい。
綾の方を見るとすやすやと寝ていてたのでちょっとだけ観察をしたのだ。
いつもはかっこいい顔してるのに寝顔は少し幼くて可愛い。
そう思うと約五分ぐらい見てしまって、先生に指名されて慌てて目を離した。
「俺の寝顔そんなに見たかったの〜?」
「ばっ、そんなんじゃ」
「ははっ、照れてる瑞貴か〜わいい」
「っ………も、もう行くぞ!」
そうやって笑う顔、久しぶりに見た気がする。愛おしそうに、幸せに笑う顔。
胸がきゅんてして、ドキドキと鼓動が早くなる。
好意を向けられるのも、好意を示すのも初めてだらけで慣れない。
もっと、ちゃんと気持ちを伝えた方がいいんだろうけど分からない。
自分は正直に気持ちを伝えられないから。
せめて、ちゃんと好きって事だけでもいいから綾に伝えたい。
「あ、綾」
「何〜?」
「手………出して」
「?」
今は人がいないから。
まだまだ、段階が俺には必要だから。
綾の手に触れると、ゆっくりと指を、指と指の間に潜り込ませる。
きゅっ、と握って少しだけ距離をつめる。
「い、今は人がいないから……」
「………うん」
俺の顔は絶対真っ赤だ。顔を背けて隠すけど、耳まで真っ赤じゃすぐバレる。
そんな俺を見て、綾はまた嬉しそうに笑った。
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