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全部ひっくるめて
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「俺は最初、灯架の事知らなかった。いきなり声かけてきてなんだこいつとか思った」
でも、同じ本読んでるとか、好きな作家が一緒とか共通点を見つけた。
それだけで、俺には世界が少しだけ広がった気がしたんだ。
「俺が悩んでる時だって、大切な助言をくれた。だから俺、凄く幸せになれた」
灯架のおかげで自分の気持ちに気づけた。綾の事が好きって分かった。
灯架には、何かと助けてもらってた。
「俺は、灯架が好きだよ」
「っ、」
「駅のあれも、灯架なりの告白なんだろ?」
「でも、俺には友達に戻る資格なんて……っ」
「またやり直せばいいだろ」
だって、お前が言ってくれただろ?
「友達の“好き”は、何度でもやり直せるって。
全部ひっくるめて、また友達やろう」
離れたくない、けど付き合えない。
我が儘なのは分かってる。
けど、初めて手にした友達なんだ。
大切なんだよ。
「………ちゃんと、諦めるから………抱きしめても、いい?」
「いいよ」
「っ…………」
今にも泣きだしそうな顔をして、俺をいきおいよく抱きしめる。
震えるその背中に手を回し、撫でる。
「ごめんっ、ほんと、ごめんなさい……っ」
「謝んなくていいよ」
「綾君にも謝らなきゃ………」
「?なんで綾?」
「いや、だって綾君と付き合ってるんでしょ…?」
「………へ?」
なんか、知らぬ間に関係を気づかれてたとか恥ずかしい。
電車で手繋いでるの見たと言われ、綾を後で殴ろうかなと思った。
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