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体育祭①
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「瑞貴君、何の競技出るの?」
「え〜…出たくない」
俺の目の前には一つの問題が立ちはだかっている。
そう、体育祭。
運動嫌いの俺にとっては地獄の一日。
小学生の頃から色々と足を引っ張ってたおかげで運動嫌いも強くなったという訳だ。
「一人二つの種目に出ないと駄目だからしょうがないよ」
「いいよ、俺その日風邪引いて寝込むから。俺は出たくない」
「寝込めなかった時の為に一応決めとこ?ね?」
「ぐぬぬ………」
「出たい種目ある人どんどん言って〜黒板に書くから」
「あ、俺リレーと借り物競争出たい〜」
クラスの委員長が仕切る中、ある種目に綾が手を挙げた。
相変わらず女子に囲まれてまして。
「綾君借り物競争出るのぉ〜?頑張ってぇ〜」
「私なんでも貸すから言ってねぇ〜」
「ん〜ありがとう〜」
(珍しい……綾が積極的に出ようとしてる)
綾は運動が出来るけど自分からしないタイプ。俺とは違ってスポーツ万能だ。
しかしリレーと借り物競争なんだろう。
「瑞貴君どうするの?もうそんな残ってないよ」
「うぅう俺やりたくない…運動したくない」
「じゃあっ、俺と二人三脚出ない?後はパン食い競争にすればいいんじゃないかな」
「せ、背には変えられない…委員長、俺二人三脚とパン食い競争……」
とりあえず、普通に走ってパン噛み付けばいいか。二人三脚は灯架なだけマシだろう。
でも、俺はこの時気づかなかった。
綾がこちらを冷たい目で見ていたことを。
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