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体育祭②
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「……………」
「…………………あの、そろそろ離してもらえませんかね」
「やだ」
「いつまでこうしてるつもりだよ……」
俺は今綾に後ろから抱き抱えられている状態である。
いや普通にソファに座らせてくれ。
家に帰ってきてからずっとこうだが、俺何かしたっけ。
無言で帰ってきて無言で晩御飯食べてテレビ見ようと思ったらこれだ。
むすくれた顔で首元に頬ずりしてくるし何なんだくすぐったい。
お腹に回された手もちょっと苦しい。
「俺なんかした?」
「……無自覚の馬鹿」
「馬鹿ってなんだよ馬鹿って」
「……なんで灯架君と二人三脚組むのさ」
「へ?いややりたい種目無かったし……灯架がやろうって」
「なんで俺の事誘ってくれなかったの」
顎を掴まれ、後ろを向かされる。視線の先には、寂しそうな表情をした綾の顔があった。
友達といえど、やっぱりこれって嫉妬……されてる?
「だって、綾女の子に囲まれてるから……誘いにくくて」
「それでも、俺あんまり他の人に触れられて欲しくない」
嫉妬ばかりしてごめんね、と言いながら目元にキスを落としてくる。
その思いに、胸がきゅんって溶けそうな気持ちになる。
好きで好きでたまらない、そんな思いが痛いほど伝わってくる。
灯架とはもう普通の友達だけど、それでも嫉妬してくれるのがちょっと嬉しくて。
「ごめんね」
「んー……じゃあキスして」
「お、俺から?」
「じゃないとずっとぎゅーしてる」
「ったく……顔寄せて」
寄せた唇に唇が触れる。綾もあんまり女の子に触れないでね、と言って。
綾は目を見張ると、すりすりと頬を寄せてくる。
「瑞貴がイケメンで俺辛い」
「お前の方がイケメンだろ〜?」
「ねぇ、瑞貴」
「ん〜?」
「俺がリレーで一番になったらお願い一つだけ聞いてくれる?」
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