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葉山灯架の一日。②
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駅について、もう少しでくる電車を待つ。
冬は寒い、風が吹くたびに身体が凍えそうだ。
俺の学校の最寄り駅への電車は三回出る。
俺は二回目の時間に行くのが毎日。
そして、その時間帯には女子がとても多い。香水がキツかったりスカートが短かったりとまぁ縁がない。
でも、今日はざわついている。という事は。
「あっ、綾君おはよぉ〜」
「今日は遅いんだねぇ〜っ」
「おはよ〜、また寝坊しちゃった」
「そんな綾君も可愛いぃ〜」
「いいんだよ寝坊くらいっ、私四度寝とかよくしちゃうもん」
四度寝は流石にしすぎだろう、と心の中でツッコミを入れる。
相変わらず綾君は女子に囲まれている。女子達はいつもより熱気があって益々怖い。
「おはよう灯架」
「あ、おはよう瑞貴君」
背中から声をかけられて振り向くと、寒そうに手と手を擦り合わせる瑞貴君がいた。
どうやら綾君と一緒に来たらしい。
「寒い。猛烈に寒い。なんでこんなに寒いんだよ耐えられない」
「マフラーがあるならまだ大丈夫でしょ……」
萌え袖状態にしてマフラーを鼻の位置まで上げる。どうやら寒がりのようだ。
「てか駅のホームって寒すぎる。まず外で待つこと事態無理」
「あと少しで電車来るから我慢しよ……?」
風が吹くたび肩を震わせる瑞貴君は、とても寒そう。
ふと、何かの視線を感じた。
まさかとは思うが、チラッと綾君の方を見ると凄く見られていた。
見られていたというか、睨まれていたというか。凄い、真顔。
「み、瑞貴君……綾君を盾にした方がまだ温かいと思うよ」
「あぁ、その手があったか……でも女子に囲まれているんだよな」
綾君と瑞貴君は、付き合っている。
「俺、凄く睨まれてる……綾君に凄い睨まれてるから真面目に早く綾君のとこ行った方がいいと思う」
「えっまじ!?うわほんとだ……後で言っとくから。ごめんね灯架」
真面目に怖すぎて涙出てきた。いやあの時行動先走った俺も悪いんだけど。
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