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女子(ここから本編に戻ります)
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「ねぇ、話聞いてんの?」
「無視とか有り得ないんだけど」
「…………」
母さん、僕はどうしたらいいですか。
何故か昼休み女子に呼び出され、裏庭に呼び出されています。
なんですか集団リンチですか。てか俺女子に呼び出されるような事したっけ。
「あのさ、呼び出された理由分かってる?」
「へっ?あ、いや……」
「ハッキリしないとかまじウザイんだけど。
あのさ、体育祭で綾君に大事な人とか言われてたけどあれどういう意味よ」
「へ………」
「何、あれ友達として?それとも好きな人とかそーいう系?」
背中に冷たい汗が流れた。女子数人に囲まれ、まるで視線の暴力。
正直に言っていいのかどうかも分からない。でも、言ってしまったらどんなに楽なのか。
「てか、あれじゃね?綾君が言ってた意味は友達じゃね?」
「あ、こっちが好きな人として大事とか言ってた感じ?」
「っ………」
「ねぇ、綾君の事好きなら止めたら?絶対釣り合わないし」
「それに、男同士とかまじ無理なんですけど」
その一言が、俺の胸に深く深く突き刺さった。
痛い、ナイフで心臓を抉られたような痛みが身体を蝕む。
前を向いてられなくて、下を向く。涙が零れ落ちそうで、ぐっ、と耐えた。
その時、昼休みが終わるチャイムが鳴り響いた。
「あ〜終わっちゃったじゃん、あたしまだ御飯食べてないんだけど」
「まぁいいじゃん次生物だし食べててもバレないって」
「とにかく、あんまり綾君と馴れ馴れしくしないでよね」
女子が吐き捨てるように言うと、この場を去っていった。
しばらくして、へたり込むように座り草むらの上に横たわる。
「………ははっ」
男同士は無理、か。
痛い、苦しい。
言葉がどんどん奥に入って毒として蝕んでくる。
男同士は気持ち悪い。男同士は無理。
今までにない苦しさと虚しさがこみ上げてきて、涙が止まらなかった。
性別が同じだけで、ただそれだけで好きなのを否定されて。
泣きじゃくって泣きじゃくった結果、泣き疲れて寝てしまった。
五時限目が終わるチャイムが鳴るまで、一人寝ていた。
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