アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
どこにいったの
-
「…………」
昼休み、瑞貴が女子達に囲まれ連れていかれた。でも、昼休みが終わった時に帰ってきたのは女子だけだった。
もしかして、何かあったのだろうか。
瑞貴を探しに行こうと席を立つと、隣の女子に服を引っ張られた。
「綾君?もうすぐ授業始まるよぉ〜?」
「いや、ちょっと…」
「綾君授業サボっちゃ駄目だよぉ〜?」
「ほらっ、座ろぉ?」
(お前らが瑞貴連れてったからだろ……)
意外と女子の力は強くてふりほどけない。無理に振り払って泣かれても困る。
女子達はニヤニヤしながら授業の準備をしている。凄く居心地が悪い。
仕方なく、ここは引き下がるしかない。自分の席に座る。
頬杖をつき、外を見た。
瑞貴、今何処にいるの。怪我してないよね。
お願いだから、戻ってきて。
結局、瑞貴は授業中に戻ってこなかった。授業が終わると同時に席を立ち、瑞貴を探しに行く。
屋上、空き教室、保健室。
学校内を走り回ってもどこにもいない。もしかして外にいるのか。
外で人目につかない所といえば裏庭ぐらいしかない。
俺は急いで裏庭へと走った。
「っ、瑞貴………!!」
瑞貴は裏庭にいた。うずくまるように横たわった状態だった。
急いで近寄り、身体を起こす。すると、微かな寝息が聞こえてきてホッとした。
目尻には涙のあとが残っていて少し腫れている。腫れやすいからか腫れると凄く分かる。
「よかった……無事で」
「んん、んぅ……」
ゆっくりと、瑞貴の目が開かれる。俺の顔を見ると、驚いたような顔をした。
「なんで、綾……」
「瑞貴五時限目サボったでしょ。俺凄い心配したんだよ?」
「ご、ごめん…」
「今日、家帰ったらちゃんと話そう。昼休みの事も」
瑞貴の肩がビクッ、と震えた。やはり、原因は女子達か。
一体何があったのか。何を言われたのか聞かなければ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
94 / 227