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次の日、いつも通り綾と時間をずらして学校へ行く。
いつもならこんなに暗い気持ちにならずに歩けるのに。
学校へ行くのが怖い。また、何か言われるかもしれない。
綾はああ言ってくれたけど、まだ安心出来ない。
憂鬱な気持ちで教室に入ると、女子達は綾に夢中でこちらを見なかった。
目を合わせなくて良かった事に安堵し、自分の席に座る。
読み途中の本を取り出し、文字を追う。
途中、聞こえるように女子達が話をし始めた。
「そういえばさ、昨日坂秋に体育祭の事聞いたらめちゃくちゃ泣きそうな顔されたんだよね〜」
「えっまじ?男子が泣くとか有り得なぁ〜い」
「なんか私が虐めてるみたいな雰囲気になってまじ最悪だったぁ〜」
「あははっご愁傷様〜」
泣き虫で悪かったな。てか、言葉の暴力は本当だろ。
気にしないように文字を見るが、やはり話は気になってしまうもので。
その後も女子達は、俺の悪口をずっと言っていた。別に俺の悪口だけで良かった。
でも、あまりいい気分でも無い。
そんなに同性は駄目なものだろうか。好きなだけじゃ、駄目なのだろうか。
俺は皆に付き合ってるのを話したらどんな反応されるのか怖いから言いたくない。
でも、綾はどう思ってるのだろう。
皆に話したいのかな。
(一体、どうしたらいいんだろう)
胸のもやもやは消えず、今日一日くすぶったままだった。
ため息も多く、灯架に心配されたりもした。
これ以上心配かけまいと笑顔で振舞ったが、更に心が重くなるだけだった。
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