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エイプリルフール
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(これは本編とは関係ありませんいつだかのエイプリルフールのお話)
四月一日。そう、今日はエイプリルフールだ。
今日は午前中綾に嘘をつける。
いや午前中だけでもキツイ気がする。
俺はよく嘘が下手と言われるからすぐバレそう。
(いやでもこれはいつもの仕返し、俺ばっかり翻弄されてるのは気に食わない)
「あ、綾〜」
「ん〜?」
リビングにいる綾に声をかけ、綾の元へ歩く。やばい、緊張してきた。
綾はソファに座って本を読んでいていた。いやその姿もめちゃくちゃかっこいい。
よし、言おう。
「あ、綾の事が、嫌い……っ」
「……………え」
よし、言った!
少しだけ間が空いて、綾が小さく声を漏らした。
綾がどんな顔してるのかな、と閉じた目を開くと。
(え)
綾を見ると、めちゃくちゃ泣きそうな顔していた。
怒られてシュンとしている犬のような。
物凄い罪悪感にかられる。え、エイプリルフールなの伝えてないけどここまで反応くるとは思わなかった。
「瑞貴……俺のこと、嫌いなの?」
「うっ」
うるうるとした目で視線を向けられ、罪悪感がより一層増す。
まずい。これじゃなんかエイプリルフールの意味無い。
「う、嘘だよ……エイプリルフールだから、そんな顔しないでよ」
「え?………あぁ〜、エイプリルフール……」
「ほんと、嘘だから信じないで」
「……瑞貴、こっち来て」
手招きされて、綾の近くに行くと腰をぐい、と引っ張られた。
綾の膝を跨ぐような格好で、羞恥で顔が赤くなる。
「ちょっ、綾、」
「俺凄い心に傷負ったんだけど。ちゃんと慰めて?」
「へ……?いや、どうやって…って、ちょ」
「……嫌いはほんとに傷つくから」
「……………うん、ごめんね」
「もーほんとびっくりしたんだよ〜……」
胸にぐりぐりと顔を押し付けられてる。確かに嫌いは言い過ぎだった。
綾の顔を両手で包み上にあげる。視線がぶつかると同時に、キスをした。
自分からするのはとても恥ずかしいけど、心配させてしまったから自分から。
「嫌いじゃないよ。俺、ちゃんと綾が好きだから」
「可愛すぎて無理………やだ、許す」
綾の顔もみるみる赤くなって、やっぱり胸に顔を押し付けられる。
綾が照れてる見れるって、相当レア。
やっぱり、綾に嘘をつくのは無理かも。
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