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「こんばんは〜」
夜、バイトから帰ってきた俺は白兎を迎えに行くため、至の家へと向かった。
「あら、春くんこんばんは。今白兎くん、そこのソファで寝ちゃってて」
ーが、笑いながら言う至の母親の言葉を聞いて、俺はガクッと頭を下げる。
あいつはほんと、何の遠慮もなく人の家で全開にくつろぎやがって…。はあ、恥ずかしい…。
「すみません、あいつ…煩かったですよね。」
「ううん、全然大丈夫よ。寧ろ、至も湊もあまり喋らない方だから、白兎君が来てくれて、すごく賑やかで楽しくって…嬉しかったわ」
けれど、そう言って幸せそうに笑う至の母親を見て、俺は少しだけ笑みを浮かべて笑った。
「春さん」
そうして至の家の中に入ると、湊くんに会った。
こう、…会うたびに身長が伸びている気がする湊くんに、俺は少しビビりながら笑う。
「湊くん、前も聞いたけど…えっと、君身長いくつ…」
「え?えっと、確かもうすぐ180かと…」
ーなっ…!?
ひ、ひゃくはち……じゅう…っ!?
……う、嘘だ…俺の10センチ以上も上じゃねぇか…。
「春さん?」
「…いや、ううん。成長期ってすげぇなぁと思ってよ…。湊くん、昔は俺より小さかったのになぁ」
それから懐かしむように笑って言うと、湊くんは俺から目を逸らした。
「そりゃ、…俺だってもう16ですし…」
何故かむくれたように言う湊くんの言葉に、俺はぷっと声に出して笑ってしまった。
「そうだな、もう…16になるんだもんなあ」
あははと笑って言うと、湊くんは俺から顔を逸らして、けれどそれから俺を見て、同じようにふわりと笑った。
湊くんは、変わらないなぁ…。
俺はソファで眠る白兎を見つけておぶると、至の母親にお礼を言ってから、至家を後にした。
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